民法が規定する戸籍上の父か、DNA鑑定の血縁上の父か 平成26年7月17日最高裁判決

  • 2014.07.21 Monday
  • 14:44


子どもの父は、戸籍上の父親(法律を優先)か、DNA鑑定が証明する父親(生物学上の血縁を優先)か?


最高裁まで争われた親子関係の判決が平成26年7月17日下された。

判決結果は 「法律上の父子関係を取り消すことはできない」 となった。

つまり、「戸籍上(法律)の父親が父親である」となった。

 

-------------------------

 

◆提訴に至る経緯

平成11年に結婚し10年以上連れ添った妻が平成21年に突然出産。
夫が入院中の妻を探し出し、誰の子か尋ねると、妻は「2、3回しか会ったことのない男と人」と答える。

(実際には平成20年から交際を始め性的関係を持つようになっていた)
夫は動転しながらも自分の子として育てる決意をし、長女として出生届を提出、自らの子として養育した。

 

しかし翌年の平成22年に協議離婚、子の親権者は妻とした。
妻は子と、子の血縁上の父と3人で生活をしている。

 

平成23年6月、妻が子を代理し、元夫に対し親子関係不存在の訴えを提訴した。
その際、DNA鑑定により血縁上の父(新しい夫)が99.99%の確率で子の父である証拠を提出した。


そして、子どもの父は、

戸籍上の父親(法律を優先)か、DNA鑑定が証明する血縁上の父親(生物学上の血縁を優先)か

が争われたものである。


最高裁第一小法廷判決は、裁判長を含め5人の裁判官で審決される。


民法を優先が 3人

DNA鑑定(生物学的血縁を優先)が 2人

 

という結果である。

 

結果が表すとおり、賛成・反対は専門家でも分かれ、おそらく世論に聞いても意見は真っ二つに分かれる議論である。

法律を優先した裁判官でも補足意見を述べている。

最高裁の判決文を読むと、それぞれの裁判官の意見はどれも一理あるものである。


-------------------------------------------------------------------------
私も自分自身、問うてもいずれかの結論は簡単に出ない。
子の利益が優先は最も重要である。
しかし、乳幼児という判断が下せない年齢では、結果的にどちらがいいのか、子自身の答えは出せない。

 

私は仕事柄、これまで1000枚ほど戸籍を見てきた。
明治時代の戸籍は、届出した人や手続きがルーズなこともあり、誤りが多いと感じている。
また後になって意図的に変えた形跡も見られる。
誰が父かを敢えて不明にすることがある。
当時、仮にDNA鑑定などがあったら、現在に繋がる家系図や相続関係図は違ったものとなるかもしれない。


日本は血縁を重視すると言われるが、猴椹劼鬚箸辰堂箸魴劼”ということを鑑みると、血より家を重視している。


いくらDNA鑑定が「ほぼ100%正確な結果が出る」としても、親子関係の、法的・身分的・生物学的・社会的に、相当な論議を尽くし、立法や行政手続きを作ってからでないと、明治期から続く法律を崩してはいけないとも考える。


(参考)
平成24年(受)第1402号 親子関係不存在確認請求事件
平成26年7月17日 第一小法廷判決

 

 

追伸:

しかしこの事案、そもそも婚姻中に他の男性と付き合い子を作った不貞行為はどうなっているのか。。

協議離婚が成立した段階で夫婦間では決着していることだと思いますが、本質・経過・結果、どれも深く考えさせられる事案です。

 

コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>

行政書士萩本勝紀

profilephoto

コメント入力について

コメント入力は承認制にしました。内容によっては公開いたしません。またコメントにはご返答できないことも多いので、その点はご了承ください。お問合せある方は、当所宛にご住所・お名前を記入してメールをご送信ください。info@hagimoto-office.comまで

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM