内縁と同棲と愛人関係の違い

  • 2013.06.30 Sunday
  • 16:20


 

おとなの男女関係には

 

役所に婚姻届を出している「正式な結婚」のほかに

「内縁」「同棲」「愛人関係」

という実態があります。

 

今回はこの「内縁」「同棲」「愛人関係」について、法律的に考えてみましょう。

 


この3つも大きくは

 

「内縁・同棲」「愛人関係」のふたつに分かれると言えます。


 

まず最初に「愛人関係」についてですが、

 

これは単に男女が相思相愛の仲であるという状態にすぎません。 

 

しかしその関係が、何らかの特殊で契約的なものであれば法律が関与する可能性もあります。

例えば、割り切った「心と身体のサービス」業、的な契約関係もあるでしょう。

いわゆる“愛人契約です”。

定期的あるいは不定期で取り決めた女性の“癒し”に対して、住居や金銭、物品などの対価を提供するものです。

 

ただ通常は、親密な男女関係の延長にすぎません。

したがって次の内縁・同棲のような法律的な保護はありません。

 


では「内縁」「同棲」についてはどうでしょう。

 


「内縁」とは、

 

法律的にみれば、“婚姻の意思”をもって夫婦共同生活を行い、まわりから夫婦と認められているにもかかわらず、婚姻の手続をしていないため、法律的には正式の夫婦と認めらない事実上の夫婦関係をいいます。事実婚とも言われます。

 

この“婚姻の意思”は、内縁が法的な問題に至った際の判定基準として、とても重要なポイントです。

 

内縁関係が法的に保護される要素、つまり“婚姻の意思がある”という認定は

 

・夫婦共同生活の実体
・共同生活の継続性
・性的関係の継続性
・妊娠しているか否か
・家族や第三者(友人、知人、近隣の人など)への紹介の有無や広がり
・見合い、結納、挙式などの婚姻儀礼の有無

 

などから判断されます。

婚姻の儀礼「例えば挙式をあげた。」も一つの要素にすぎません。

内縁は、婚姻届を出していないという点が正式夫婦と違うわけですが、最高裁は「婚姻に準ずる関係」として認めています※昭和33年4月11日判決

 

内縁の妻を保護した例には、


・労災保険関係では、内縁の妻に保険金受領権を認めるケース

・内縁の夫が交通事故で死亡した場合、内縁の妻にも加害者に対する損害賠償請求権を認めるケース

・財産分与を認めるケース…
 

などがあります。

近年、内縁関係の保護は一層強化されつつあります。

 

しかし婚姻の手続をしていないため「正式な夫婦」ではありません。
相続権はなく、また内縁の夫の子の嫡出性はありません。
仮に事実婚の父が出生届を出しても戸籍の父欄は空白となります。

 

相続に関して言えば「(内縁の妻に)財産を贈与する(遺贈)」

 

というような遺言があればよいでしょうが、無ければ「特別縁故者として財産分与の請求」を裁判所に申立するにすぎません。特別縁故者は、相続人がいない(相続人不存在)という裁判所の確定がスタートで、期間も手間もかかり、また、特別縁故者に確実に認定される保障もありません。



では「同棲」についてはどうでしょうか。

 

常識的にみて、同棲とは「男女が事実上一つ屋根の下で生活している関係」と思われますが、一般的に“同棲”というコトバのニュアンスからいえば、「内縁関係にまではいたっていない男女関係の状態」と言えます。

 

ただ同棲と言っても、実質的に夫婦同様の生活をしている場合もあるので、法律的判断の場面では狷皹錣同棲か”という識別は、具体的、事実的、社会的、客観的な状況などから判断されます。

 

単に男女の結びつきにすぎない関係では法律の保護は受けられません。

保護されるのは、内縁のところで書いたとおり「婚姻の意思」と「夫婦としての実態」をそなえていることが必要です。

 

法律的保護としては、

 

“内縁破棄の場合”、破棄による精神的・物質的損害の賠償責任(慰謝料請求)が認められることが多くなっていますが、同棲をやめた場合”のケースで賠償責任を問うには、内縁に比べて実態確認(証明)が強く求められます。

 

というより一般的同棲という概念では損害賠償の請求はできない、と考えるべきでしょう。(もちろん暴力やDVとなると別の話になります)

 



最後に、重婚的内縁について触れておきます。

 

民法第732条に、「配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない」という重婚禁止の条文があります。

内縁が重婚的内縁関係にあたれば内縁自体無効であり、保護されないというものです。

しかし重婚的内縁も具体的状況によっては保護されることがあります。

 

一つ判例をご紹介します。

 

【東京地裁・昭和431210日判決】

本来の妻との婚姻関係が事実上破たんし、離婚と同様な状態になった犖”に内縁関係をもった場合で、相手の重婚を知っていたか、知っていたとしても離婚が近く実現し、犲分が正式な妻になれると信じていた”関係にあっては、法律上の婚姻に準ずる内縁関係の場合に準じて保護される(以下省略)

 

という判決があります。

 

これは、結婚している内縁の夫が交通事故で死亡したケースで、内縁の妻に損害賠償を認めたという判決文の一部です。

 

また重婚的内縁でも、一方的に男性から内縁を解消した場合に、男性に不法行為責任を認めた判決があります。

 

東京地方裁判所昭和62・3・25判決

京都地方裁判所平成4・10・27判決

 

不当な内縁解消という場合には、重婚的であることがあまり問題にはならず、遺棄された女性の保護のために内縁の成立を認める傾向があります。

 

 

婚姻、離婚、別居、内縁、同棲…

 

「男と女の関係」は今に始まったことではありません。

二人の心情は当事者にしか分からないことです。

 

2013年の厚労省の調査では、結婚する約2.8組に1組が離婚しているという実態があります。

「バツいち」「バツに」は今や普通なこと、

男女に関する法的見解は、実態や状況をより取り入れた判断に変化していると感じます。

 

 

男女関係は切なく苦しい場面が起こります。

陽と陰、表と裏、喜と悲、憎と許、楽と悔、疑と信、熱と冷…

 

あなたのことを知った他人は一般的なことを言うかもしれません。

でもそんなことはあなたは分かっていますよね。

二人のことは二人だけにしか分からないこと。

人の心はそんな簡単じゃありません。

 

街にはさまざまな情景があり、心には変化が起こるものです。


ご自身の悩みや苦しみから抜け出せないとき…

 

時の経過は一番のくすりです。

 

出会いは別れのはじまり。

 

でも「今を生きる」。。

 

この連続が人の一生です。

 

年齢を重ねた将来、かならず、、

「若かったな」「そんな経験したな」って思える日が来ます。

 

すべては将来のあなたを作る過程なのです。

 

 

(注)上記文章は行政書士萩本勝紀の私的見解を含みます

 

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