非嫡出子(婚外子)の法的差別を考える

  • 2013.07.15 Monday
  • 23:13

非嫡出子訴訟

先週からメディアでも取り上げられているこの最高裁での審判。

 

結婚していない男女の間に生まれた「非嫡出子」(婚外子)の遺産相続分は嫡出子の半分、としている民法の規定が、憲法に違反するかが争われている家事審判のことです。

 

先週、平成25710日 最高裁大法廷での弁論はすべて終結。

 

そしてこの秋に憲法判断がでます。


私はかなり注目しています。

 

 

非嫡出子側

 

・出生については選択の余地がないのに、相続で差別的扱いをするのは法の下の平等を定めた憲法に違反している

・先進国で日本と類似する規定を設けている国はない

・高裁でこの規定を違憲とする決定が既に出ている

・立法が法的手だてを講じるべきなのに、放置されている

 

として、司法による救済を求めています。

 

嫡出子側

 

・法律婚の尊重のために相続格差を設けるのは合理的だ

・外国の動向は、その国の実情や法改正の経緯などを踏まえず単純に比較しても説得力はない

・既に確定した裁判の結果が再審で覆るなど、違憲判断が出された場合混乱する

 

として立法の判断にゆだねるべきと主張しています。

 

 

「婚外子の法的差別について」、少し過去を見てみましょう。

 

ヨーロッパにおける婚外子に対する法的差別は、1804年の「ナポレオン法典」によって生み出されたものです。

 

時代を経て、1972年国連経済社会理事会の「非婚の母の地位に関する勧告」において、婚外子について「相続の一切に関して、非婚の子孫に差別があるべきではない」と発表しました。


また1979年欧州人権裁判所(オランダ・ハーグ)は、「婚外子差別は違憲」との判決を出します。これにより、欧州各国が国内法の改正に追い込まれていったのです。

 

さらに1986年国連「子どもの人権条約」で、婚外子差別は条約違反であることが明示されました。

 

これによって、婚外子差別を含む出生や家族構成の違いによる子どもの差別が許されないものであることは世界では動かぬものとなったのです。

 

 

では日本を見てみましょう。

 

日本における婚外子差別は中国の制度を導入しようとした710年の大宝令が最初です。

 

しかし律令制は崩壊してしまい、明治時代、ヨーロッパから民法が入ってくるまで、婚外子に対する法的な差別を持つことはありませんでした。

 

そして明治民法では、戸籍制度(家)の安定のため、婚外子を差別しました。妾制度の意識もあった古い時代です。

その差別が今でも続いているのです。

 


国連は、日本の民法が定める非嫡出子と嫡出子の相続格差について撤廃するよう再三勧告してきました。


平成8年、法制審議会(法相の諮問機関)は格差是正を含む民法改正案を答申しました。

しかし国会議員らの反対が強く、法案提出には至っていない現状です。

 

  

私はこの問題は、外国がこうだからとか、世界的な流れだからとか、日本はこうだからとかいうものではなく、生まれてくる子ども自身を第一に考える場合、「婚外子であることによる婚外子自身への法的差別はおかしい」と思います。

 

ネット上での寄せられた意見をみると、法律婚の尊重、差別は当然・内縁の妻が悪い、日本と外国は違う、などの声が圧倒的に多いです。

 

しかし、この世に生まれた命=子どもを第一に考えるべきだと私は考えます。

子どもを作った親が、その無垢な命すべてに、責任と義務を最初からもつべきなのです。


それはその子の生まれ持つ権利だと言えます。


法的差別が決まっていること

それはおかしいと私は考えます。

 

 

最高裁大法廷は15人の裁判官です。結果は多数決です。

 

この審判、つまり非嫡出子(婚外子)の法的差別は合憲か違憲か。

 

そろそろ明治民法から離れる時代に、状況に、今の日本はなっている

 

 

そう私は考えています。


 

インターネットトラブルと法律

  • 2011.07.09 Saturday
  • 00:01

総務省の「2009年通信利用動向調査」によると、日本のインターネット利用者数は9408万人、人口普及率は78%とのことです。特に60歳以上の普及率が増加しているようです。

インターネットの普及により、さまざまなトラブルも生んできました。
今後も増える一方だと考えられます。
特に高齢の方はターゲットになり易いので注意が必要です。

では、インターネットのトラブルを類型化してみましょう。

・詐欺、悪徳商法
・名誉毀損、誹謗中傷
・インターネットオークション
・迷惑メール
・不正アクセス、ウィルス
・有害情報

と分類できます。
ほとんどトラブルは、これらのいずれかの分類に入ります。

インターネットに関しては、社会的問題があるごとに新法や改正がされていますが、いつも後手後手です。
それとインターネット法などというものはありませんので、トラブルには、個々の法律を組み合わせて対処していくことになります。
ただ、いろんな法律があり、さらに複雑化している中て、一般の方にはとても解りにくくなっていると言えます。

そこでネットトラブルに対して、検討すべき「法律」と「個別のキーワード」を挙げてみます。

民法
・未成年者
・制限能力者
・錯誤
・詐欺又は強迫
・債務不履行
・不法行為
・名誉毀損

刑法
・窃盗罪
・詐欺罪
・電子計算機使用詐欺
・わいせつ物頒布等
・名誉毀損罪
・侮辱罪
・電磁的記録不正作出及び供用
・支払用カード電磁的記録不正作等
・支払用カード電磁的記録不正作出準備
・不正電磁的記録カード所持

消費者契約法
・契約取消
・契約内容無効

特定商取引法
・契約取消
・契約内容無効
・迷惑メール
・通信販売

不正アクセス禁止法
・他人のID、パスワード無断使用

特定電気通信役務提供者の損害賠償の制限及び発信者情報の開示に関する法律
・プロバイダ責任
・発信者情報の開示

個人情報保護法
・個人情報漏えい

著作権法
・著作権保護
・差止め
・不正利用

不正競争防止法
・他人の商品表示・営業表示の冒用
・著名表示の無断使用
・商品の模倣
・誤認惹起行為
・虚偽事実の流布

電子消費者契約法
・錯誤無効の特例
・契約の成立時期の明確化

電子署名法
・認定要件

出会い系サイト規制法

児童買春、児童ポルノ禁止法

有害インターネット規制法

特定電子メール法
・表示義務
・架空メールアドレス

携帯電話不正利用防止法

預貯金者保護法
・偽造カード

ネズミ講防止法

古物営業法
・古物取引
・ネットオークション

有線電気通信法、電気通信事業法
・ワン切り電話

いかがでしょうか。
いろんな法律があるのが分かると思います。

これからも新法や改正はされていくでしょうが、トラブルの内容によって、個々の法的根拠を元に対処をしていくことになります。

専門家に相談してください。

お一人で悩まないでください。

告訴について

  • 2009.02.03 Tuesday
  • 22:13

よく「告訴」というコトバを聞きます。

告訴とは、


犯罪の被害者やその親族が、警察または司法警察などの捜査機関に対して、犯罪の事実を申し出て、捜査やその犯人の処罰を求める意思表示

をいいます。

「被害届」というコトバもよく聞きますが、これは単なる犯罪があった事実を申し出るだけで、処罰を求める意思表示は含まれていません。

告訴できる人を「告訴権者」といいます。


・被害者本人
・被害者の法定代理人
・被害者死亡の場合は、その配偶者・直系親族・兄弟姉妹
・亡くなった人への名誉毀損の場合は、その親族や子孫


が告訴権者です。

告訴そのものは、警察などに書面「告訴状」を提出して行いますが、口頭でもいいということになっています。
ただ、しっかりとその事実を伝えるために、証拠資料などを合わせて、書面で提出した方が、受付側の理解や把握が早いでしょう。

告訴状の形式は特に決まっていませんが、


・犯罪事実
・処罰を求める意思表示


がはっきりと表示されていればいいのです。

なお、相手(犯人)の住所や氏名が不明でも告訴はできます。
(告訴状は、我々行政書士も作成代行することができます)

告訴が受け付けられると、起訴・不起訴の処分がなされます。

 


しかし、告訴も慎重に行なわないといけません。

・民事関係の紛争に捜査機関を利用する目的
・相手に心理的な圧迫を加えるための目的

の告訴は考えて行う必要があります。

というのも、

 

 起訴し刑事裁判になり、万一相手が無罪となったとき、

 

告訴した側に故意や重大な過失があれば、訴訟費用を負担させられることがあり、また、逆に名誉毀損や虚偽親告罪で訴えられないとも限らないからです。 

「親告罪」とは、告訴がなければ起訴して裁判できない犯罪をいいます(例えば、名誉毀損、恐喝、詐欺、強姦、過失傷害など)
 


最後に、

 

告訴できる期間ですが、

親告罪では、犯人を知った日から6ヵ月以内

殺人や放火などの普通の犯罪は、時効になるまで


告訴が可能です。

その罪が親告罪にあたるかは、刑法の各犯罪の条文に書かれています。

告訴することは難しいことではありませんが、しっかりと犯罪事実を捉え、覚悟をもって申し出る必要があるのです。

特定商取引法改正「オプトイン規制」へ

  • 2008.12.05 Friday
  • 23:54

以前のブログ(200885日)で、消費者関連法の改正案について触れました。

今年から来年にかけて、特定商取引法と割賦販売法でかなり大きな改正があります。

消費者保護を支援する私にとっては、待ち望んでいる改正です。

この改正のうちの一部「迷惑メール関係」の法改正の施行が、いち早くこの121日からなされました。

何かと言うと、

『オプトアウト規制』から『オプトイン規制』

への規制強化です。

今までの『オプトアウト規制』というのは、電子メール広告が送られてきて、メールの受け手が、その販売業者に対し、今後のメール受信は不要なので停止する旨の意思表示をすれば、その後のメール配信が禁じられるというものです。
つまり、広告メールが送られて、後から「要らない」ということです。

新たな『オプトイン規制』とは、事前に広告メールの送信の同意を明らかにした者に対してだけにしか、広告メールを送ってはいけない、ことをいいます。
つまり、広告メールを受けてもいいと、最初に承諾しない限り、販売業者は広告メールを送ってはいけないというものです。


事例が、経済通産省の通達で出ていますので、抜粋で紹介します。

商品を買ったショッピングサイト上などで、今後広告メールを受けることの承諾をする場合。

【問題ないケース】
いわゆるデフォルト・オン方式(「広告メールの送信を希望する」にあらかじめチェックが付されている方式)は認めらていますが、その場合、その表示が、画面の中で認識しやすいように明示(例えば、全体が白色系の画面であれば、赤字(対面色)で表示)されてかつ最終的な申込みボタンの近くに、そのチェックがあること

【規制対象となるケース】
膨大な画面をスクロールしないと広告メールの送信についての承諾の表示にたどり着けない。
画面の途中に小さい文字で記述されている。
よほど注意しない限り見落としやすい。
というようなケース

広告メールがそのサイトの業者だけでなく、関連サイトや提携する会社からも送られることを承諾する場合。

【問題ないケース】
あるサイトでの広告の承諾のクリックが、関連するサイトからのメール広告を受けることの承諾にもなる場合は、それが分かり易いように明示(例えば、
全体が白色系の画面であれば、赤字(対面色)で表示)され、かつ、関連サイトのホームページアドレスだけでなく、その関連サイトのカテゴリー情報やサイト名または送信者名を併記するなどして、それらのサイトがどのような内容のものか具体的に分かるように表示されていること

【規制対象となるケース】
その関連サイトが、単に姉妹サイト一覧と表示されているだけであったり、そのURLをクリックしないとどんななサイトかが分からないケース。
そのアドレスから想定される内容が実際の内容と全く異なっており(いわゆるアダルトサイトなど)、表示からは想定されないようなところからの広告メールを承諾したことになってしまうこと

広告メール受信することになった後で、配信の停止を、広告メール本文の中で表示する場合。

【問題ないケース】
配信を停止するためのメールアドレスやURLを、メール本文の最前部に表示している。
もしくは、メールの末尾に表示している。
メール末尾の場合は、ある程度のスクロール操作で表示され、分かり易く表示してある、というようなケース。

【規制対象になるケース】
膨大な画面をスクロールしないと配信停止の表示にたどり着けない。
文中に紛れ込んでいて見分けがつかない。
よほどの注意を払わない限り、認識できないような表示となっている、ようなケース。

これらの規制の違反があまりにひどい場合は、その業者は、業務の全部または一部が停止となる可能性があります。

よく、ショッピングサイトなどで懸賞に応募したり、ポイント獲得のためのクリックにより、提携サイトの広告を承諾したことになって、膨大な広告メールを受けることになる、ということがあります。

現在のネットショッピングサイトやメールで広告している業者は、早々にその画面やシステムを修正する必要があります。

ウェブ技術者たちは、かなり忙しい日々になるのではないでしょうか。


民法(債権法)の大改正 「債務不履行について」

  • 2008.12.04 Thursday
  • 23:51

20081110日のブログで書いた、民法(債権法)の大改正ですが、今回は「債務不履行責任」について少し書きます。

債務不履行とは

「債務者が正当な理由がないのに債務の履行をその内容どおりにしないこと」

をいいます。

民法では、債務不履行責任について

「履行遅滞」
「履行不能」
「不完全履行」

3つの類型に分類しています。

「履行遅滞」とは、債務者がその債務を履行できるのにもかかわらず、債務者の帰責事由により、かつ正当な理由がなく、履行期限までに債務を履行しなかった場合をいいます。

「履行不能」とは、契約締結時には履行可能であった債務が、その後に債務者の帰責事由によって履行が不可能となった場合をいいます。

「不完全履行」とは、債務者から履行期に債務の履行はあったが、それが不完全だった場合をいいます。不足があったなどです。

帰責事由とは債務者に故意または過失による法的責任があること、をいいます。

債務不履行に対しては「損害賠償請求権」や「解除権」が発生するわけですが、この3つの類型で、その発生に共通の要件があったり、特有の要件があったりします。

民法改正の検討委員会では、これを統一化して理解するべきであると指摘しています。

例えば、債務不履行に基づく解除の要件について履行不能の場合でも債務者の責めに帰すべき事由の有無にかかわりなく、「重大な不履行」があったことで解除の要件とする、が提案されています。

また、債務不履行に基づく損害賠償請求権の要件について、民法上は、上記のとおり「債務者の帰責事由による」、つまり「債務者の故意または過失による」不履行であることが必要とされていましたが客観的な不履行の事実があれば、損害賠償請求権は発生すると、提案されています。

また、「契約において債務者が引き受けていなかった事由」によって債務不履行が生じた場合には損害賠償責任を免除するという、考え方も提案されています。

この債権法の改正については、弊所の業務にもかなり係わりますので、来年発表が予定されている改正試案に注目しています。

「新公益法人制度」は、起業家にとっても興味ある制度です

  • 2008.11.30 Sunday
  • 00:08

2008121日は非営利法人関連法にとって重要な日です。

一つは、1998121日施行の特定非営利活動促進法(いわゆるNPO法)の10周年の日です。

一つは、新公益法人制度が施行される日です。

そして、それによって1986年(明治29年)の民法制定(公益法人制度開始)以来112年、民法で許可制を謳った公益法人の条文がばっさり削除される日なのです。

非営利の突破口が開いたと言えます。

現在の公益法人(社団法人、財団法人)の設立は、所管官庁の許認可によるものです。

つまり、それら主務官庁の裁量が大きく関与しています。そして国や地方の公務員が退職後に天下りする温床になってきました。

「平成19年度版 公益法人白書」によると、全国に社団・財団法人は、約25千団体ありますが、その中で所管官庁出身の理事は何と2万人を超えています。

それが、今度は準則主義になるのです。

準則主義とは、法令に一定の要件を満たせば、官庁の許可を必要とせずに法人を設置できるという考え方です。

株式会社のように登記で社団法人・財団法人が設立できるようになるのです。(正確には、一般社団法人・一般財団法人といいます)

「官」から「民」へ

「天動説」から「地動説」へ


大きな一歩です。

世の中の法人がやっている事業目的には、利潤を追求する株式会社ではなく、広く市民のための公益活動をする事業があります。

例えば、人材育成のための研修会・セミナー・勉強会の開催、その施設の管理や提供、資格試験・検定試験の創設・実施・資格認定、競技会や表彰等々。

その事業活動が非営利目的であれば、その事業における税の優遇措置(非課税)を受けられる可能性があります。

社団や財団法人の代表の呼び名は理事になります。

株式会社のような取締役とは呼びません。

今、取締役はそこらじゅうにいますが、理事ほとんどいません。

12
1日からそれが法人の登記でなれるようになったのです。

ちなみに、一般社団・財団法人になったからといって、事業の目的は公益目的である必要はありません。

それは自由です。

それと非営利というのは、利益を分配しないということであって、そこで働く社員の給与がないということではありません。

普通に適正な給与をもらうことができます。

さわりだけ書いても、長くなってしまいましたが

要は、法人設立の選択肢が更に広がったということです。

起業家にとっては、その中から、自分のやる事業、事業の目的、目指すもの、運営方法、組織形態、ステータスなど、を総合的に考え、法人を選べばいいのです。

この新公益法人制度には、問題点はいろいろありますが、いずれにしても、起業家にとっては関心が沸く制度であることは確かです。

ご不明なことがあれば当所までお問い合わせください。

民法(債権法)の大改正 「時効について」

  • 2008.11.10 Monday
  • 23:53

メディア(例、毎日新聞、日経新聞)でも取り上げられて
いますが、現在、民法(債権編)の抜本的改正が検討
されているのはご存知でしょうか。


2008113日 毎日新聞記事
『法務省は、民法が定める債権の消滅時効を統一化する改正
作業に着手した。
原則の10年を引き下げる一方で、短期消滅時効(15)も廃止
5年か3年に統一する方向で検討を進めている。
消滅時効の統一化により、債権者、債務者双方の債権管理の
労力削減を図るのが最大の狙い、法学会も同様の方向で提言
している。
早ければ10年度の改正を目指しており、民法の債権分野は
1
世紀ぶりの大改正となる。』


学者や法務省民事局参事官等で構成される
「民法(債権法)改正検討委員会」200610月に作られ
「改正の基本方針(改正試案)」発表に向けて審議を重ねて
いるところです。

議事録を見ますといろんな検討がなされています。
このうち「消滅時効」と「債務不履行責任」は、弊所の業務
にも特に係わってきます。


消滅時効について

現在の消滅時効で、大きな項目だけを列挙しますと、
 (注)民法債権法以外も含みます

時効  債権の種類
-----
 ------------------------------------------
6
ヵ月 
  手形の裏書人から他の裏書人や振出人に対する
   遡求権・請求権
  小切手所持人・裏書人の、他の裏書人・振出人その他
   の債務者に対する遡求権

1
年  
  飲食料
   (ホテルや旅館の宿泊料・キャバレーや料理店など)
  運送費
  動産の損料(貸衣装など)

2

  商品の売掛金
  給料(労働者の賃金など、退職手当を除く)
  職務・仕事への債権(弁護士、公証人、居職人など)
  学芸・技能への債権(教育者の教育・衣食・寄宿など)
  財産分与の請求権(離婚のときから)

3

  請負代金(工事終了のときから)
  不法行為に基づく損害賠償
   (損害および加害者を知ったときから。
    慰謝料請求権も3年です)
 
5
 
  商事債権(商取引、一方が会社であれば商事債権)
  年金・恩給・扶助料・地代・利息・賃借料
  労働者の退職手当
  財産管理に関する親子間の債権
  相続回復請求権
   (相続権を侵害された事実を知ったときから)
  金融機関・サラ金の貸付金債権

10

  私人間での一般債権(貸し金など)
  判決で確定した債権

です。


上記は民法債権法だけではありませんが、このように
時効期間についてはいろいろあって、債権をどう区別し、
どの類型なのか、などについての不明確性と、その
合理性が疑わしいこともあり、時効期間の統一化が検討
予定されているのです。


また、消滅時効の効果についても、従来どおり*援用
による遡及的消滅という効果にするのか、援用を要せず
時効期間満了によりその債権の存否について認定されない
という効果にするのか等の議論もされています。


*援用とは
時効によって利益を受ける人が
「時効によってアナタの権利がなくなりました」や
「時効によってアナタの権利を取得しました」という
ことを、相手に主張することを言います


消滅時効は、債権者にとっても債務者にとっても
非常に大きく影響します。

今後、改正草案が発表されれば、より大きなニュースに
なると思いますので、注目をしていきましょう。


次回は、「債務不履行責任について」まとめる予定です。

労働時間は、どこまで含まれるのか?

  • 2008.08.23 Saturday
  • 17:44

今日は「労働時間」について、お話します。

「労働時間」とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。

使用者の指揮命令下にあるかどうかは明示的なものである必要はなく、作業前に行なう準備や作業後の後始末、掃除等が、使用者の黙示の指揮命令下に行なわれている場合は、労働時間になります。

休憩時間は労働時間に含まれませんが、労働者が労働から離れることが保障され、自由に利用できるものでなければなりません。
手待ち時間(使用者からいつでも要求があれば終了できる状態)は、労働時間です。
したがって、休憩時間中、電話当番、来客当番等をさせれば、実際に電話や来客がなくても、その時間は労働時間となります。

実際には、仕事の状況から、やむを得ず休憩時間が取れないことがあったり、電話当番しながら机の上で昼食を取るなんてことは普通にあることです。就業時間の前か後に掃除することもあることです。

本人も断ったりすることなく、働いている職場に尽くすことは当然でしょう。
しかし、世の中にはいろいろな人がいます。労働時間、時間外労働時間などで、会社と争うケースは現実にあります。

その昔、私の職場でも、定時時間後に残業する際、15分間の休憩時間があり、それを知らずに残業をしていた従業員が、知らないでやっていた半年分の各日15分の残業代を返せ、と人事部とやりあっていました。

労働時間についての厚生労働省労働基準局長通達を内容を紹介します。

休憩時間の意義
労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間の意である。拘束時間(手待ち時間)は労働時間として扱うこと

昼休みの来客当番
休憩時間中に来客当番として待機させていれば、それは労働時間である

坑内労働者の入浴時間
坑内労働者の入浴時間は、通常労働時間に参入されない

就業時間外の教育訓練
出席の強制が無く、自由参加のものであれば、時間外労働にはならない

安全衛生教育時間
事業者の責任において実施しなければならないものであり(労働安全衛生法59条、60条)、労働時間となる。労働時間外に行なわれた場合は、割増賃金が支払われなければならない

健康診断の受診時間
当然には事業者の負担すべきものではないが、受診に要した時間の賃金を支払うのが望ましい(特定の有害な業務に従事する労働者は受診が必須であり、事業者は支払う義務がある)

労働時間に関する最高裁の判断を挙げておきます。

1.始業前の門から更衣室までの移動時間
 労働時間に該当しない
  理由)指揮命令下に置かれたと評価できない

2.
作業服(制服)への更衣時間
 労働時間に該当する
  理由)装着を義務づけられていた

3.
更衣所から作業場までの移動時間
 労働時間に該当する
  理由)装着を義務づけられていた

4.
午前終了後の食堂への移動時間
 労働時間に該当しない
  理由)指揮命令下に置かれたと評価できない

5.
作業後の更衣時間
 労働時間に該当する
  理由)装着を義務づけられていた

最高裁の判断だけで言えば、更衣は労働時間に含まれます。
ただ現実的には、就業時間の開始までに、更衣を終え自分の位置や席についているでしょう。

裁判所の判断があるということは、それが論議されたこと(争われたこと)があるからです。あまり考えることはなくても、労働時間については、知っていて損はないものです。

悪質な借金の取立てには強い態度で

  • 2008.08.14 Thursday
  • 00:16

 

さまざまな状況からお金を借りることになり、どうしようもなく支払いが遅延してしまうケースは起こり得るものです。

借金の取立てについては、業者がやってはならない違法な取立行為が法で規定されています。

次のような業者の行為は禁止されています。

 


1.暴力的な態度や、大声をあげること、乱暴な言葉を使うこと

2.正当な理由もなく、午後9時から午前8時までの間に、債務者宅に訪問したり、電話やFAXを送ること

3.正当な理由もなく、勤務先を訪問したり、勤務先に電話やFAXをしたりすること

4.はり紙やたて看板などで、借入れの事実その他プライバシーに関する事項などを第三者にあからさまにすること

5.他の貸金業者から借入れさせたり、クレジットカードを使用して返済させたり、これらを強要すること

6.保証人や連帯保証人になっていない者(たとえば、親族など)に対して、支払請求をしたり、必要以上に取立てへの協力を要求すること

7.弁護士や司法書士に債務の処理を依頼した場合、あるいは借金処理のため裁判所で民事手続きをとった場合、それぞれから債権者にその旨の通知がされます。それにもかかわらず、支払いを請求すること


 

加えて、貸金業法が2007年(平成19年)1219日に改正施行され、取立てに関する違法行為の部分に、次のものが追加されました。

 

・夜間だけでなく、日中も債務者への悪質な取立てを貸金業者が行なう事は禁止

・債務者の自殺によって支払われる生命保険金をもって、貸金業者に弁済することを禁止

・公正証書作成のために貸金業者が債務者から委任状を取得することを禁止

・利息制限法を越える契約についての公正証書作成の嘱託をすることを禁止


 

借金をしている負い目から、矢のような催促や威圧的な態度に押されて、業者の言われるまま、業者のペースにはまってしまうと、自体はますます悪化することになります。


支払う必要のない法外な金利や、新たな借金まで背負い込んでしまい、更なる借金地獄に陥ってしまうことも多いのです。

上記のような、違反行為があった場合は、臆せずに、警察や最寄の監督行政庁(財務省財務局や都道府県の貸金業指導係)に相談、申立てをしてください。

また、なかなか減らない借金に、一人であれこれ悩んでいたり、厳しい取立てから逃げ回ったりするよりも、弁護士や司法書士にかけ込んだ方が早い解決につながることもあります。
 

法テラスやお住まいの弁護士会に相談してみてください。

 


※上記に関しては借金取り立てを悪いとしているわけではありません。

 借りたお金を返すのは当然ですから。

 

探偵業について

  • 2008.07.31 Thursday
  • 00:03
 

昨日、「探偵業」に関する話(警察庁生活安全企画課)を聴いてきたので、ご紹介します。

探偵業については、昨年の平成19年6月1日に「探偵業の業務の適正化に関する法律」が施行されました。それまでは業者自由の世界でした。この法律で、始めて業務の定義、届出義務(届出制)、業者の欠格事由、義務事項、罰則などが制定されました。

[業者数推移]
平成 6年 2348社
平成11年 3003社
平成13年 4178社
平成15年 5110社
平成19年 6月末 2715社 新法施行月
平成19年12月末 3887社

業者増加の理由は、日本全体が訴訟社会になったことが挙げられます。訴訟のための証拠集めです。(例:離婚訴訟)
昨年、届出制になり一時的に減りましたが、今後は増加すると思われます。

[業界の特徴]
日本調査業協会、東京総合調査業協会など、協会団体がいくつかありますが、全体での加入率(組織率)が2割程度と非常に低いです。

組織率が低い理由
・組織に加入するメリットがない
・組織に入ると他業者と競合してしまう
・一匹狼(アウトロー)的にやりたい
・自分個人の実績・ステータスの方が上。
 組織に入ると、逆にそれが下がる

[探偵業でのトラブル]
探偵業でのトラブル(刑法)は、大きく次の3つに分類されます。

1.不適格者
  暴力団がやっていた。組事務所の隠れ蓑となっていた。

2.立場を利用した犯罪
  知った情報をネタに恐喝、口止め料を取る。
  特に、依頼者側にも調査される側にも恐喝、人の弱みにつけ
  込む。(実際、表に出るのは氷山の一角。皆、隠すため金を
  出していると思われる)

3.違法な手段による調査
  警察と名乗る。
  勝手に名刺を作る。
  調査のため勝手に住居内に入る。
  戸籍謄本や住民票を虚偽申請して取る。
  盗聴器をしかける。

民事的なものは、契約と料金トラブルが主です。

[探偵業に該当しないもの]
・報道機関が報道するための調査
・作家が本を書くための調査
・弁護士、会計士などが行なう調査
 (われわれ、行政書士もこれにあたります)
・世論調査やアンケート調査(人を特定せず広く行なうため)
・別れさせ屋
 ある男女交際を止めさせるため、しつように付きまとう。
 尾行を相手に認識させるのが特徴。
 これは探偵業法ではなく、条例違反や刑法にあたる。
・ペット探偵
 ペットの捜索は探偵業にはあたりません。
 理由は、探偵業はを対象としているからです。
 従って、ペット探偵には届出は必要されません。
 (ペットの捜索を依頼する場合は注意が必要です) 
 但し、「ウチのネコがある人の家で飼われているようだ」と
 なった場合は、その特定の人 を調査・尾行することになります。
 この場合は探偵業にあたりますので、その業者は、届出しなくてはいけません。

[探偵業者に依頼する場合]
上記のとおり個人業者が8割の業界だが、後々の契約や料金トラブルなどを考えると、協会に所属している業者を選んだ方がいいだろう、という警察庁担当者のコトバであった。

[私見]
この法律で、一歩前進したことは確かである。
しかし、探偵業者に契約における説明義務や書面交付義務とその契約条項はもうけたものの、実際の契約内容は業者任せであり、消費者保護には不十分である。
調査を依頼する際に、依頼者側が書面を発行し業者は受け取る義務がある(この調査依頼は、犯罪行為などには用いませんというもの)行為が謳われているが、書面を受けなくても罰則はない。と言うか、依頼者側が書面を発行するのか、疑問がある。

また、業者の欠格事由の審査はあるとのことだが、後追いであり、いつ審査されるのかが分からない。営業開始する前日までに届出れば業務開始ができる。届出の際に公安委員会が発行する証明書は、単に「届出があったことを証明」するものである。つまり許可ではない。

探偵業に係わる、契約や料金トラブルはまだまだ減りそうにないだろう。
本法にはまだ見直しが必要だと感じた。しかし、昨年までは無法領域であったことから見ると前進なのであろう。
来年創設の消費者庁には、統合的な消費者保護を期待するものである。

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行政書士萩本勝紀

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