ペット裁判 動物病院入院中に飼い犬が死亡 動物病院が勝訴した判例

  • 2013.11.04 Monday
  • 12:27


本日紹介する判例は、動物病院が勝訴した事例です。


平成18年10月19日東京地方裁判所判決 平成17年(ワ)第9630号


原告:飼い主
被告:動物病院を開設する会社及び獣医師


概要:


原告のシーズー犬(雄、およそ17歳、名前「ラリー」)が入院中の動物病院で死亡。
ラリーに必要な検査、治療をしないまま、強心剤その他必要のない薬剤を過量に投与した過失等があり、そのためにラリーはショック死するに至ったものであるとして、被告に対し、不法行為に基づき慰謝料500万円を求めた裁判。
※原告には夫、子どもがなくラリーを我が子のように慈しみ可愛がってきた


原告の主張:


ア)体力の衰えたラリーに大量の強心剤を投与した
イ)体温測定、血液検査及び心電図検査など検査義務違反
ウ)病名を特定しないまま必要のない薬剤を過量に投与した過失
エ)危篤状態になっても酸素吸入措置を行わなかった義務違反
オ)より適切な病院への転院や他の病院の協力を得ないことの義務違反
カ)被告に対する説明義務違反


被告の主張:


上記すべてを否定。
被告は詳細に薬剤や与えた分量、治療法、ラリーの状況などの証拠を提出。


判決:


原告(飼い主)の請求は棄却。
訴訟費用は原告の負担とする。


----------------------------


この裁判では、原告の主張すべてが否定されました。


裁判の内容を読んで分かることは、


‐攀

∋瑤じい稜齢(老齢かどうか)


この2点の重要性です。


特に,両攀鬚砲弔い董


原告が被告の過失を主張するのことは、非常に難しいことが分かります。
死亡に至る治療中、被告が病院にずっといることは当然ありません。
カルテや病院の請求明細(治療明細)や獣医の話など、証拠は被告当事者である病院から得る情報だからです。


裁判は、証拠が確からしいと裁判官が認められなければなりません。
病院側の証拠(言うことやカルテ記載内容)を覆すのは困難だと言わざるを得ません。


また、老齢になればさまざまな病気(持病)も現れ、体力も落ちています。
死亡を医師が予見できたかどうか、そこに年齢や持病がかかわってきます。


しかしペットの医療過誤による裁判では、獣医師側の責任を認める判決は近年数多く出ています。


もちろんそれぞれの裁判によって争点や状況は異なります。


裁判、特にペット裁判の判例を見ていて一つ感じることは、


裁判官“自身”がどう考えるか


この違いで判決文は変わります。


少子高齢社会、ペットトラブルの裁判はこれからまずます多くなるでしょう。


判例はこれから作られていく、


それがペット裁判だと言えます。 

ペット裁判 手術中に飼犬死亡、動物病院が勝訴した判決

  • 2013.11.03 Sunday
  • 00:35

 
動物病院での手術中に飼犬が死亡したというペット裁判で、動物病院が勝訴した判例を一つご紹介します。

この裁判は、原告は動物病院で、被告は飼い主です。


原告である動物病院側が、「死亡したことには何ら義務違反はない」とする確認を求め、治療費の5万1000円の請求を求めた裁判です。


ペット裁判で多いケースの、死亡し納得がいかない飼い主が動物病院を訴えた、というものとは逆の原被告です。


----------------


平成3年11月28日判決(東京地方裁判所) 平成2年(ワ)第12875号


事実

動物病院(原告)で、フィラリアに羅患している犬(シェパード)の成虫除去手術中に心臓の鼓動が弱まり、急きょ閉胸することにしたが、その措置中に犬フィラリア症と先天的心室拡張に伴う心停止で死亡した


判決

1.原告(動物病院)は「何らの損害賠償債務は負わない」ことを確認する
2.被告(飼い主)は治療費5万1000円と利息を支払え
3.裁判費用は被告の負担とする


---------------


判決の理由を要約すると


仝ぅ侫ラリアは通常愛犬家が予防している病気である
∋瑤ぜ腓何の予防も取らないで究極の症状になるまでほってあるのは管理の誤りである
獣医のとった除去手術は教科書に載っているとおりの措置である
ぁ叛菘慧”心室拡張のため生じた循環機能不全による死亡は、手術前に予見することは不可能であった


ということです。


----------------


以上が内容ですが、

この被告(飼い主)…

ある日、黒いスーツを着た男数名を引き連れて動物病院に押しかけ、
「あの犬は、稲川会の会長から預かっていたものだ。どうしてくれる?」
「誠意を見せろ。」
「いつかお前が危害を加えられることだってあるかもしれないぞ。」
などと大声で威嚇した事実があったようです。

飼い主(被告)が取ったこのような行動は当然に裁判官の心証を悪くしたと言えます。


----------------

※フィラリアとは、

蚊が媒介する(蚊にうつされる)綱糸状虫(しじょうちゅう)目に属するの寄生虫で、心臓や肺動脈に寄生する。フィラリアの寄生により心臓・肺はもちろんのこと肝臓・腎臓などにさまざまな異常をきたすようになる。

ペット裁判(医療過誤) 慰謝料はいくら?

  • 2012.10.11 Thursday
  • 00:09

ペット裁判の判例をご紹介します。
長くなるのでポイントだけ記載しています。
金額(赤字)は裁判所が被告(獣医等)に支払いを命じた金額です。

<医療過誤による死亡・傷害>

[平9113日(大阪地裁)]
  80万円(うち慰謝料は0円)
  猫(アビシニアン種)、21カ月 
  猫への使用が許されない陣痛促進剤使用による死亡
  (母猫と2匹の胎児の合計3匹が死亡)
  愛玩用ではなく商用として飼育のため慰謝料は0円に

[平14328日判決(宇都宮地裁)]
  932500円(うち慰謝料20万円)
  猫(アメリカンショートヘアー種)、5
  猫の避妊手術ミスによる死亡

[平141127日和解(福岡地裁)]
  30万円 
  犬 
  ワクチン投与
  因果関係証明が相当な時間を要すため和解となる

[平16510日判決(東京地裁)]
  原告2人、一人当たり403105円(うち慰謝料30万円) 
  犬(日本スピッツ)、911カ月
  糖尿病薬(インスリン)不投与による死亡

[平17530日判決(名古屋高裁金沢支部)]
  原告2人、一人当たり21万円(うち慰謝料15万円)
  犬(ゴールデンレトリバー)、135カ月 
  切除手術治療選択(説明せず手術して死亡)

[平18908日判決(東京地裁)]
  1329565円(うち慰謝料50万円)
  犬(ラブラドールレトリバー)、6
  不完全な手術によりその後死亡

[平19927日(東京高裁)]
  原告3人、一人当たり469406円(うち慰謝料35万円)
  犬、15
  不適切な手術、説明義務違反

[平20618日(東京地裁)]
  45万円8450円(うち慰謝料5万円)
  猫(ロシアンブルー)、生後3カ月 
  獣医学的な裏付けを欠く不適切な治療で猫の右目に
  後遺症

[平210225日(名古屋地裁)]
  原告3人、一人当たり8万円(うち慰謝料7万円)
  犬(ウェルッシュコーギー)、11
  輸血の準備不足で死亡

[平211027日(名古屋地裁)]
  54万円 
  犬(ミニチュアダックスフント)避妊手術後死亡
  避妊手術のリスクや術後の対応の説明が不十分

以上

ペット裁判(医療過誤以外) 慰謝料はいくら?

  • 2012.10.10 Wednesday
  • 18:21
ペット裁判の医療過誤以外の判例をご紹介します。 
長くなるのでポイントだけ記載しています。
金額(赤字)は裁判所が被告(獣医等)に支払いを命じた金額です。


<医療過誤以外の慰謝料>

[平16318日(青梅簡裁)]
  判決:101600円(うち慰謝料3万円)
  犬(ミニチュアダックスフンド)、3歳前後
  ペットホテルに預けている間に右前足を骨折
  注意義務違反として業者に支払判決
  判決は、治療費の全額71600円及び
  慰謝料(
128400円の請求のうち)3万円
  が認められた


[平17228日(千葉地裁)]
  判決:150万円(うち慰謝料70万円)
  犬(ボストンテリア)9頭、ブリーダー間トラブル
  原告は被告に犬9頭の飼育を委託
   (寄託契約及び準委任契約)
  この間に6頭死亡、1頭片目失明、1頭片耳欠損
  債務不履行、善管注意義務違反による損害賠償と慰謝料
  が認められた
  原告の請求額は1200万円(うち慰謝料請求額は210万円)
  であった

[平111227日(春日井簡裁)]
  判決:186800
  但し被告が支払済みの治療費123500円を差し引き
  実際は63300円の支払判決 (うち慰謝料は3万円)
  犬(ポメラニアン)、推定8
  公園散歩中、ほかの散歩中の犬に噛まれその後死亡
  相互に過失、原告20:被告80の過失相殺となる

[平181122日判決(浜松簡裁)]
  判決:3万円 
  猫の最後を看取ることを依頼したが連絡なく死に目に
  あえず

[平18322日判決(大阪地裁)]
  判決:10万円 
  交通事故によるペットの死亡

[平20930日(名古屋高裁)]
  判決:一人あたり266425円(うち慰謝料20万円)
      原告は2人であった

  犬(ラブラドールレトリバー、87カ月
  赤信号で停まっていた車に原告の大型トラックが追突
  同乗の犬が第2腰椎圧迫骨折に伴う後肢麻痺傷害
  原告らの請求額は9905706
  (うち慰謝料請求額は200万円)であった
  なお犬用シートベルトなどを装着してなかった原告側に
  10%の過失相殺が適用された

以上

ペット医療過誤 損害賠償請求

  • 2008.07.29 Tuesday
  • 23:58
 

ペットが医療ミスにあった場合、損害賠償として動物病院に請求する項目は、次のようなものが考えられます。

ペットの財産的価値

交配が予定されていれば交配料、ペットタレントであれば
 出演料などの逸失利益

動物病院に支払った治療費

治療ミスのため他の動物病院にかかった場合の治療費

治療のための交通費

治療のために購入した物品代

葬儀費用

慰謝料

弁護士費用

の慰謝料について
以前は、ペットが獣医療ミスにより死亡したときの飼主の精神的苦痛に対する慰謝料の金額は、5万円程度が相場でした。
近年、慰謝料額は飛躍的に増加し、飼主一人につき20万円から30万円代の慰謝料を認めるケースが増えてきています。

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行政書士萩本勝紀

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